事務所からのお知らせ

  • 許可の継続が困難になるケース

    2021.02.28

    製造販売業

    ◆ 許可を取ると安心してしまう……?

    医療機器の製造販売や製造業を行うにあたっては、医療機器製造販売業許可、医療機器製造業登録などの許認可が必要です。

    法令の定める要件を満たして許認可を取得し、事業を開始したら、その許可を維持することが大切です。

    往々にして、許可を取得して安心してしまい、許可後に医療機器事業者として行うべき責務を果たしていないようなケースがあります。

    こうしたケースでは、5年後の許可更新の際、あるいは許可取得後に行われるQMS適合性調査などにおいて、法令違反や法令の求める事項の欠落を指摘されることがあります。

    許可申請の時点では許可要件を満たしていても、その後に満たさない状態になっているため、行政指導、行政処分などをうけたり、場合によっては許可の更新が困難になる場合もあります。

    安定継続的に事業を継続するためには、医療機器の許認可を適切に維持し続けることが必須です。

    いわば、許認可は事業継続の土台だといえます。
    建物が土台(基礎)の上に立っているように、医療機器事業は医療機器の許認可の上に成り立っているわけですね。

    住宅の基礎工事のイラスト

     

    ◆ 許可更新に難儀する事例

    弊所では、許認可の更新が困難な状態に陥っている事業者の方からのご相談も多くお受けしてきました。

    たとえば次のようなケースがあります。

    • 薬機法が求める基準書・手順書が整っていない
      製造販売業や製造業はQMSに則った仕事が必要です。
      製造販売業ではGVP省令に適合することも必須です。
      基準書・手順書がないということは、法令の定める仕事ができていないことを意味します。
    • 品質管理監督システム基準書(品質マニュアル)がサンプルのまま
      このケースがとても多いです。
      都道府県のサンプルのままなので、会社の組織、業務フローなどに見合っておらず、業務の基準として機能していないのです。
      組織、責任と権限、プロセスについて十分検討せずにダウンロードしたままの文書を使っている場合は要注意です。
    • 許可や承認の要件を理解していない
      医療機器製造販売業許可、医療機器製造業、QMS適合性調査、医療機器の承認申請や一部変更承認申請など、医療機器の許認可の制度を把握されていないケースも見られます。
      複雑ですのではじめから全てを把握することは難しいこともありますが、自社に関係する重要な許認可の要件は把握しておきましょう。
      変更手続きの漏れ、適合性調査の受審漏れなどがありますと、製品の大規模な回収にもつながります。

    こうした事態に陥らないように、許可申請の準備段階から、許可後に至るまで、法令の要件を理解して維持してゆくことが大切ですね。

     

     

    ◆医療機器製造販売業許可申請の意味

    医療機器の製造販売は、無許可で行うことは法律で禁じられており、要件を満たした者だけその禁止が解除されるというしくみになっています。

    「許可」申請の意味は、書類を整えて申請するという作業ではなく(たしかに作業としてはそのような面も含むのですが)、「許可の要件を充足したので、審査のうえ、一律に禁止されている行為を当社について解除してください」というものです。

    許可申請の準備は単に添付書類を添付して紙を整えることではなく、法令の基づき要件を充足して、製造販売業者としての「体制」を整えることにあります。

    また、許可を取得したら、「医療機器」という新しいフィールドでプレイすることになります。許可を維持することで事業を継続することが出来るわけです。

     

     

    ◆行政書士の支援 

    行政書士は申請書の作成を行いますが、申請書というアウトプットを生み出すためには、皆様が医療機器事業者としての体制を整備することが必要です。その結果が申請書という形に表現されることになります。

    体制を整備するためには、法令の要件を理解し、いかなる体制にするかを計画することが必要です。

    弊所のお客様は、はじめて医療機器事業に参入する企業様が多いです

    許可を取得することは目的ではなく、皆様にとってのスタートです。
    スタート後に、安定継続的に事業を維持・発展して頂くためには、建物の基礎のように、医療機器の許可の土台をしっかり作っておくことが肝要です。

    飛行機・ジャンボジェットのイラスト ◀飛行機の離陸のためには入念な準備と整備、そして助走が必要です。

     

    弊所では、その観点に立って、許可後を見据えて、着手段階からしっかりサポートをさせて頂くことを旨としています。

    すでに許可を取得している事業者の方でも、管理体制に不安をお抱えの方もいらっしゃるでしょう。そのような事業者様からのご相談も数多くいただいています。

    小規模で、医療機器の許認可管理、QMSなどにご不安な方は、弊所にご相談ください。